『フルハウス』の女優ロリ・ロックリンと『デスパレートな妻たち』のフェリシティ・ハフマンが起訴されました。
検察の発表です。
事件の概要
FBI捜査コードネーム「Operation Varsity Blues(バーシティ・ブルース作戦)」の発表では裕福な保護者たちがウィリアム・リック・シンガー被告に多額の賄賂を払い、子どもを不正に入学させていました。シンガー被告は慈善団体を立ち上げ、不正入学を援助する組織の隠れ蓑にしていました。
シンガー被告はSAT(大学進学適性試験)やACTの試験実施担当者に賄賂を払い、受験生の点数を水増ししたり、替え玉受験をさせたり、スポーツ・チームの監督に受験生をスカウトしたとウソの証言をさせたりして、入学に有利な書類を偽造していました。裕福な保護者はシンガー被告に$15,000から$75,000(約160万から830万円)を支払いSATやACTの不正を依頼していました。(替え玉以外に、受験生の答案を正解に書き換えたりなどの不正もしていたと報道されています。)
ある受験生は所属していないスポーツチームに所属しているように装うため、Photoshopで写真に顔をはめ込む加工までしていたそうです。
シンガー被告は、試験の運営に関わったIgor Dvorsiky(ロサンゼルス)とLisa “Niki” Williams(ヒューストン)に賄賂を払い、マーク・リデル氏に試験を替え玉で受けさせたり、受験生とリデル氏の回答を入れ替えさせたりしていました。リデル氏は36点満点中、35点を取っていました。リデル氏は1試験あたり報酬として$10,000(約110万円)を受け取っていた疑いがあります。
賄賂の結果、子どもたちは名門大学であるイエール大学やスタンフォード大学、さらに南カリフォルニア大学などに入学していました。
入学を確実にするため、保護者たちは$200,000から$6.5ミリオン(約2200万から7億2000万円)を払っていました。捜査によるとシンガー被告は33名の保護者から合計28億円を受け取っていました。
フェリシティさんは長女のSAT試験時間を延長させるため$15,000(約160万円)を支払い、次女の点数を加点するよう要求したと捜査で明らかになっています。
ロリ・ロックリンさんと夫モッシモ・ジャヌリさん(デザイナー)は子どもたちを南カリフォルニア大学へ入学させるため、$500,000(約5500万円)を支払っています。証言と、録音した電話の内容で裏付けされています。
さらにロックリンさんは娘が所属していないボート競技のチームに所属しているように見せるため、ボートを漕いでいる写真を撮らせていたそうです。
ロックリンの娘はYouTuber
ロックリンさんの娘の1人はYouTuberです。
オリビア・ジェイドという名前で活動しています。
オリビアの動画には、大学入学の不正をいじるコメントで溢れています。
「金持ちな親が賄賂払って入学した奴がいるせいで、本当に優秀な人が入学できなかった。けしからん。」
「動画から学業に熱心じゃなさそうなのが伝わってきたから納得。」
「悪いけど、コメント欄面白すぎ。」
「フェニックス大学1のオンライン講座に2000円で入学させてあげるよ! メッセージ待ってる!」
「ボート競技のチームにスカウトされたって聞いたけど? あれ? してないの?」
などなど反感を買っています。
こちらでは親子で出演しています。
この事件はお金持ちやセレブがかかわっているので大きく報道されました。大学への不正入学はこれまでにも報道されています。この事件とは逆に、T.M.ランドリーという私立学校が生徒たちを極貧の家庭で頑張っていると宣伝して有名大学に送り込んだ事件も発覚しています。この事件についても近々取り上げます。
こちらは続報です。
T.M.ランドリーについての記事です。ぜひ併せてご覧下さい。
参考:Lori Loughlin, Felicity Huffman among 50 charged in college admissions scheme
Who is William Rick Singer, the college admissions cheating scandal’s alleged ringleader?
IMG director charged as part of college admissions scam. He was paid to take a test, feds say
【2019年3月13日】誤字を訂正しました。
注
- フェニックス大学はディプロマミルとして有名。