ファッションブランドBalenciaga(バレンシアガ)のキャンペーン広告が不適切だと問題になっています。広告ではボンデージ風の飾りが付いたぬいぐるみを子どもが持っている写真が使われていました。
バレンシアガのホームページを見に行った人々は、関連写真にさらに不適切な文書が映り込んでいると指摘しています。文書は児童ポ■ノに関する判決文でした。
批判を受けたバレンシアガは広告写真をすべて削除して、釈明を投稿しています。
おかしな写真
バレンシアガの広告がおかしいと指摘しているツイートです。子どもがボンデージ風の装飾を付けたぬいぐるみを持っています。
(2023年1月22日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
文書は表現の自由とバーチャル児童ポ■ノについて争われたUnited States v. Williamsの判決文だと指摘されています。この判決は、児童ポ■ノの禁止は表現の自由に反するわけではない、というものです。写っていたのは、以前のAshcroft v. Free Speech Coalitionで争われたバーチャルな児童ポ■ノに関する記述でした。
ボンデージ風の装飾と児童ポ■ノに関する判決文を子どもと一緒に広告にするのは不適切だと批判の声が出ています。
こちらのTikTokユーザー@rachmcqueen1さんは写真家のGabriele Galimbertiが今回のキャンペーン広告を担当したと話しています。
Gabriele Galimbertiはトイストーリーをテーマに子どもとおもちゃを一緒に撮っています。
@rachmcqueen1さんの指摘によれば、バレンシアガを傘下におさめるコングロマリットケリングは、2020年秋以降は18歳以下のモデルは起用しないと発表していたそうです。児童就労を避けるための措置だそうですが、だとするとキャンペーン広告に写っている子ども達は無報酬で働かされているのか?とも指摘しています。
バレンシアガは投稿を消す
広告の問題に気付いた人々はバレンシアガの公式Instagramに苦情を書き込み始めます。バレンシアガはコメントを一時的に制限していましたが、後に関連投稿をすべて削除しています。
(2023年1月22日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
さらに、バレンシアガは11月22日に釈明文をInstagramストーリーに投稿しています。バレンシアガは謝罪をするとともに「2023年スプリング・キャンペーンに無許可のものを入れた広告の担当者に法的な措置をとる。」と発表しています。
ここまでの内容はスローン(SLOAN)が紹介しています。
キャンペーン広告を担当したカメラマンの意図がどこにあったのか不明です。今回、主に騒いでいるのは右派で、これは子どもたちにSMやドラァグクイーンの装いを普通のものだと思い込ませるための陰謀だ、と言っています。これは荒唐無稽な過剰反応です。
このような右派の過剰反応を引き出すためにカメラマンはあえて児童ポ■ノに関する判決文を見えるように置いたのかもしれません。だとすれば、いらぬ対立を引き起こすくだらない挑発です。
米国では子どもたちが虐待されている、誘拐されている、とセンセーショナルに報じられ、人々に恐怖がすり込まれています。年間80万人もの子どもが誘拐されているという誤情報が出回っているほどです。
批判の声が出るのももっともです。本来責任者であるはずのバレンシアガの無責任な対応もあきれます。