人気YouTuberの稼ぎは一般人をはるかに上回ります。YouTuberの収入源はYouTubeの広告だけではありません。Tシャツや化粧品などのグッズや、ライブもあります。
こちらの記事では世界トップレベルのYouTuberの年収は数十億円に達するという推計を紹介しました。
収入があれば、もちろんその分だけ納税しなければなりません。しかしこれほどの収入なら納税額も莫大です。払わずにすませたいと思うのは人情です。
中小のYouTuberも切実です。こちらの記事には、年間1000万再生で$45,000(約490万円)の収入とあります。YouTuber専業で暮らしが成り立つ収入ですが、この中から撮影の経費を出し、税金も払わねばならないので、楽ではありません。
今回は脱税を指摘されたYouTuberたちを紹介します。
Dr Jakeの告白
こちらはYouTuberのDr Jakeです。登録者数は2019年11月10日時点で5.79万人です。
自分は脱税していた、と告白しています。
以前、スマホアプリを売っていましたが収入が少額だったので納税していませんでした。YouTubeからの収入がかなりの額になり始めたとき、脱税を摘発される悪夢を見たそうです。それで会計事務所に納税の必要があるか問い合わせました。納税は必要だし、自営業者として届け出もしなければならない、税務署で正直に説明すれば追徴課税はされないだろう、とアドバイスを受けたそうです。そのまま会計士に収入と経費を計算してもらい、納税することになりました。
趣味の動画制作が仕事になった人は注意が必要です。
多額の脱税をしたYouTuberたち
イタリアのYouTuber St3pny (Stefano Lepri)は5年にわたって総額およそ100万ユーロ(約1億円)の脱税をしたと2019年5月に報道されました。
これはイタリアでYouTuberが脱税で摘発された初めての例だそうです。
2019年10月10日には、韓国政府は7人のYouTuberに10億ウォン(約9000万円)追徴課税したと発表しました。これは45億ウォン(約4億円)の脱税のためと報道されています。
試供品も課税?
化粧品会社が美容YouTuberやインフルエンサーに試供品を提供することはこちらの記事でお伝えしました。
企業はインフルエンサーに試供品を提供して、インフルエンサーに広告塔になってもらいます。もしフォロワーにおすすめしてもらえば広告効果は絶大です。
こちらの記事によれば、インフルエンサーマーケティングの市場規模は2020年には$5Bから$10B(5000億から1兆円)に達するとされています(MediaKixによる推定)。
Activateの2018年の調査ではインフルエンサーの69%が企業から無料で品物をもらったと答えています。
一般に、何らかの交換条件(たとえば宣伝)とともに渡された贈り物は、税金がかかる可能性があります。
韓国でYouTuberが摘発された背景にも贈り物の問題があったようです。デンマークやオーストラリアでもインフルエンサーへの試供品の提供に課税しようという動きがあります。
おまけ:他人の脱税をからかうYouTuber
PewDiePieとインドのYouTubeチャンネルT-Seriesは長らく登録者数トップの座を争っていました。
争いのさなかの2018年末、T-Seriesの運営母体に脱税疑惑があるというツイートをPewDiePieはリツイートしました(こちらの記事より)。
— Pelo (@_SrPelo_) December 3, 2018
哄笑するPewDiePieです。今では、彼のチャンネルの登録者数はT-Seriesに大きく引き離されてしまいました。