Twitterアカウントとワシントン・ポスト記者が「どの口が言う」の争いを演じる どっちもどっちの右派と左派

社会・政治

政治的な考えは人それぞれです。対立する考えは馬鹿げているように見えたり、恐ろしく感じられたりします。米国ではコメディアンが政治ネタを扱うことも多く、政治的立場を笑いの対象にすることが少なくありません。

TikTokでも「女性蔑視発言をする男を笑い飛ばすアカウント」「差別主義者をつるし上げるアカウント」「現実から乖離したリベラルを馬鹿にするアカウント」などがあり、それぞれ人気を集めています。

そんな中、リベラルをいじるTwitterアカウントの身元をリベラル系メディアの記者が報道し、論議を呼んでいます。

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Libs of TikTokとは

Libs of TikTok(「TikTokのリベラルな人たち」の意味)はリベラルな内容を投稿するTikTok利用者の動画を晒し、いじるTwitterアカウントです。右派の人気者であるコメディアンのジョー・ローガンが2021年夏にポッドキャストで宣伝したので急激にフォロワー数を伸ばしていました。

Libs of TikTokは(髪の毛が変わった色であるなど)いかにもLGBTQな人の意見をいじる投稿もしてきました。さらに、LGBTQである教員を攻撃する投稿をしたり、LGBTQの教員の勤め先を晒したりすることがありました。これは個人攻撃をけしかけるようなもので、明らかに差別的な意図があります。晒された教員はネットでハラスメントを受けたり、解雇に追い込まれる例もあったようです。70万人以上のTwitterフォロワーがいるアカウントがハラスメントや晒しをを常習的に行っていることから、一部からはLibs of TikTokを批判する声が出ていました。

運営者が明らかに

米ワシントン・ポストのテイラー・ロレンズ(Taylor Lorenz)記者も批判的な一人です。ロレンズはLibs of TikTokの運営者を調べ記事にしていました。記事にはLibs of TikTokの運営者はニューヨーク市ブルックリンで不動産販売業をしているハイア・レイチック(Chaya Raichik)だと明かされていました。Libs of TikTokの運営者はロレンズ記者のしたことは個人情報を晒す危険な行為であり、問題だ、と声を上げています。

Libs of TikTokも以前から一般人の個人情報を出していたので、「どの口が言うか」ではあります。一方ロレンズも、過去に自己利益のためにある芸能事務所を攻撃する記事を書いた疑惑があり、決して清廉潔白ではありません。

実は、ロレンズの記事が公開される前から、TwitterではLibs of TikTokの運営者は特定されていました。元VICEの編集長ロッコ・カストロはこのようにツイートしています。

今回のロレンズの記事が個人情報を晒すものだったのは確かですが、以前から一部では周知の事実だったようです。

右派からは

しかし当然、Libs of TikTokを楽しみ、応援していた右派からは批判の声が出ます。記事が出る前にロレンズから取材依頼があったというこちらの人は、ロレンズからのメールを晒しています。

メールには「Libs of TikTokの背後にいる人物を暴露する記事を準備中なので、1時間以内にコメントを送ってください」と書かれています。メールでの依頼にしては常識外れな締め切りです。

さらにこの人は、「締め切りがー」と泣いているかのようなロレンズの写真もツイートしています。先日ロレンズがネットいじめでPTSDになったと話し、お前こそ弱小インフルエンサーをいじめる記事を書いているだろうと反論されたことを受けたものでしょう。

Libs of TikTok本人はTwitterアカウントで、親戚の家に取材に来たロレンズの写真を公開しています。

個人情報を晒されたら晒し返すという宣言のようです。

一方、ロレンズは同姓同名のInstagramアカウントを攻撃しないように呼びかけています。ロレンズの記事を喜び、Libs of TikTokを攻撃しようという人々も多いようです。

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(2022年8月8日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)

Libs of TikTokの行動はロレンズなど左派からすれば許しがたいダブルスタンダードで、ロレンズの行動はLibs of TikTokなど右派からすれば明白な偽善なのでしょう。

家を襲撃された?

Libs of TikTokはロレンズに個人情報を晒された結果、家が襲撃されてしまったと窮状を訴えていました。家に卵やペンキや犬のフンを投げつけられた写真も添付しています。しかし、なぜかそのツイートを削除しています。

実はこれは「卵を投げつけられた家」で検索すると出てくる写真でした。ウソだったようです。

ネットいじめをするような記事を書いておきながら「ネットいじめでPTSDになった」と泣いてみせるロレンズも、他人の個人情報を晒して攻撃をけしかけておいて「個人情報を晒されて家が襲撃された」とウソをついてみせるLibs of TikTokも、卑怯で共感できません。「被害者になってみせた方が勝ち」という風潮があるようです。

ロレンズ側に立つ人々もLibs of TikTok側に立つ人々も、対立党派に厳しく、味方には甘いようです。対立党派の極端な言動を切り取って馬鹿にするのは爽快かもしれませんが、誠実な対話からはほど遠いのやり方です。ロレンズもLibs of TikTokも冷静な言論空間の形成を阻害しているように見えます。

ここまでの内容はYouTuberのフィリップ・デフランコが紹介しています。

The Libs of Tiktok Washington Post Scandal Went Bad Fast… Taylor Lorenz, Hasan Piker, Joe Rogan

  1. ワシントン・ポストのオーナーがアマゾン創業者のジェフ・ベゾスであるため。
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