歌手のテイラー・スウィフトが12枚目となるアルバムの発売を発表しました。テイラーは交際中のアメフト選手トラビス・ケルシーとその兄が司会を務めるPodcastに2025年8月13日に出演しています。発売日は2025年10月3日です。
ファンは待望の知らせに喜んでいますが、一部の人はテイラーの活動の仕方に疑問を呈しています。
テイラーの発表
こちらがPodcastの動画です。執筆時、1700万回再生されスポーツジャンルのPodcastでは異例の人気を誇っています。
動画でテイラーはマスター音源の権利を取り戻したときの様子、トラビスの人柄について、ツアーを終えた後の趣味が18世紀の人のよう(絵画、縫い物、サワードウ作りなど)、ネットで理不尽な批判を受けても気にしないことを明るく話しています。トラビスとそのお兄さんとの関係が良く、家族のような雰囲気なのが動画から感じられます。
ファンとしても、ツアー中にテイラーが新アルバムを制作していたこともあり、その内容に興味津々のようです。すでにPodcastのセットからファンは「テイラーは2026年にハーフタイムショーをするのではないか」「テイラーはモールス信号でTAS(テイラーの本名Taylor Alison Swiftの頭文字)とメッセージを送っている」など深読みをしてイースターエッグを楽しんでいます。
なかにはジャスティン・バルドーニとブレイク・ライヴリーの裁判がきっかけで不仲になったとされるブレイクへ当てこすりをする曲も含まれるのではないかと期待する声もあります1。
新アルバムを喜ぶ声が多く相変わらずテイラーの人気の高さを感じますが、一部の人からテイラーを批判する声が上がっているので紹介します。主として批判されているのはテイラーの影響力の使い方が自己利益誘導のためであること、家父長制を批判しフェミニストを自称しているが、あくまで限定的なフェミニストであることです。
テイラーへの批判
こちらのTikTok動画でメーガンさんは「テイラーは確かにカマラ・ハリスを支援していましたが、パレスチナ問題、ICE(アメリカ合衆国移民・関税執行局)の取締について、米国内で強制収容所が建設されていることについて声明を出していません。加えて、彼女はプライベートジェット機を最も使用しているセレブの一人です。さらに彼女はMAGAのインフルエンサーやMAGAのPodcast司会者と交流しています。彼女が今後、これらの問題に向き合うアルバムを出したらすべての批判を撤回します。」と話しています。
こちらの動画でクロエさんは「テイラー・スウィフトは家父長制の被害者どころか理想像でしょ。フェミニストのコスプレだけして、虐殺されている女性たちについて声を上げないの? いまだにファンから同情を買おうとするなんて信じられない。金髪のビリオネア(資産1500億円)以上の人で、男について歌っているか、男だったら昇進が早かったのにとか歌ってる。これ以上の上を目指してどこに行く気なの?」と話しています。
他にもバージョン違いで複数のアルバムを売る手法や倫理的なビリオネアは存在するのかについても批判されています。いずれも妥当な批判に思いますが、テイラーのファンは「テイラーは政治家ではない。米国民が投票した結果このようになっているのに、その尻拭いをテイラーが負担するのはおかしい」「テイラーはこれまでにもこっそり寄付をしてきたし、公表していないだけで実際にガザを支援しているかもしれない。」と反論しています。
テイラーは今世紀最大の影響力がある歌手と言えますが、その影響力を利用して政治問題や紛争問題の解決に一役買ってほしい、というのが一部の人の願いのようです。しかし、歌手はどんなに影響力があっても大統領や政治家ではありません。多大な影響力をもってしても結局は政治家の乱行に対抗するのは難しいでしょう。テイラーを批判している人たちは、一人の歌手の影響力を過大評価しているようにも思えます。
余談ですが、テイラーは曲の権利を取り戻しましたが、その結果、レコード会社はますます新人との契約をガチガチに固めるようになって、テイラーの勝利は後に続くアーティストのためにはなっていないのではないか、ファンは彼女の勝利を喜んでいるが、社会全体のためにはなっていないかもしれないと思います。