TwitchストリーマーKarl Jacobsが数年前にIce Poseidonのファンだったせいで炎上

炎上

今やネットはキャンセルカルチャー全盛期です。過去の不適切な言動を掘り起こされ、日々、幾人ものYouTuberやTwitchストリーマーが釈明を求められています。

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今回、キャンセルカルチャーがさらにその一歩先に進んでしまったと思わされる事件が起こりました。YouTuberが過去にある人物のファンだったこと(だけ!)で猛批判を浴びたのです。

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カールがアイス・ポセイドンのファンだったのでキャンセルされる

批判が始まったのはキャンセル騒動のいつもの震源地、Twitterでした。批判されたのはTwitchストリーマーで、人気YouTuberのカール・ジェイコブス(Karl Jacobs)です。カールは人気YouTuberのミスタービーストの仕事仲間でもあります。左がミスタービースト、右がカールです。

カールが批判されたのは、過激なストリーマーのアイス・ポセイドン(Ice Poseidon)のファンだったことが明らかな写真や動画が出回ったからです。アイス・ポセイドンは過激なIRLストリームで人気になりましたが、2017年にTwitchから永久追放されています1

アイス・ポセイドンは路上で道ゆく人々について辛辣なコメントをしたり、毒づいたりする配信をして人気になりました。差別的な発言も多く、問題視されていたようです。一方、危険で過激な発言を喜ぶファンも多く、アイス・ポセイドンをけしかけて迷惑行為をさせたり、逆にアイス・ポセイドンに嫌がらせ行為をしたりしていました。ファンでもありアンチでもある視聴者が多かったようです。視聴者はアイス・ポセイドンにストリーム・スナイプ(屋外で生配信しているクリエイターの位置を特定して押しかけること)したりスワット(虚偽の通報をして警察に襲撃させること)被害に遭わせたりしていました。

人気絶頂でイメージの良いクリエイターのカールが、数年前にイメージの悪い過激ストリーマーのファンだったのでファンから批判の声が出たようです。

カールを批判する声

ファンはカールがアイス・ポセイドンと仲良く写っている写真を投稿しています。こちらのスレッドは、カールとアイス・ポセイドンの関係を批判しています。

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(2021年5月9日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)

IRLストリームをしているアイス・ポセイドンにカールはストリーム・スナイプをしていたようです。熱心なファンだったのでしょう。

一部の人々が批判していると、カールがTwitchストリームとTwitLongerで声明を出します。

カールは「アイス・ポセイドンのような人を応援していたことを後悔しているし、今は関わりはない。アイス・ポセイドンのような配慮のないコンテンツを楽しんでいたのは、白人の特権に無自覚だったと反省している。アイス・ポセイドンの鼻の形をいじっていたことは、ユダヤ人差別をしている自覚は当時なかったが、反省している。」と釈明しています。

釈明に対する反応

カールがアイス・ポセイドンのファンだったことを批判していたファンの中には、釈明を受け入れた人もいるようです。

一方で、カールの釈明に批判的な意見も出ています。YouTuberのキームスターは「カールが数年前にアイス・ポセイドンのファンだったから批判されるのは意味不明だ。今のアイス・ポセイドンは動画内容を変えて、人として成長したのに。カールは保身に走って、アイス・ポセイドンを必要以上に悪者扱いしている。」と指摘しています。

過去の発言で批判されるだけでなく、過去に誰かのファンだっただけで批判されるのは行き過ぎ、という意見です。この点はそれなりに妥当です。しかし、現在のアイス・ポセイドンが変わったと述べるのは、カールの釈明としては蛇足です。カールにはアイス・ポセイドンが変わったことを宣伝する義理はありません。少し奇妙な意見です。

こちらは一連のカールの動向を見ていたアイス・ポセイドンの投稿です。アイス・ポセイドンはミスタービーストと一緒に写った写真を添付しています。

こんな些細なことでキャンセルが発生していては、クリエイターは一人もいなくなってしまう、という意見です。

アイス・ポセイドンはもうTwitchでは活動していないのに、悪質なTwitchストリーマーの代表例として名前があがり続けるのは確かに不当かもしれません。

以上の内容はLanzaが動画にしています。

クリエイターと視聴者の関係に正解はあるのか?

アイス・ポセイドンのストリーミングが過激化していったのは、視聴者の人気を集めるためでした。過激で危険な発言が喜ばれたのでファンサービスで過激化してしまい、アンチも増えて芸風を変えざるを得なくなりました。

カールが、アイス・ポセイドンのファンだっただけで釈明を求められたのも、視聴者の声を恐れたからです。一度人気を得た人は、人気が失われるのを恐れ、視聴者の声に従わざるを得なくなります。あえて声を無視することも可能でしょうが、それではいずれ人気は失われるでしょうし、そもそも最初から視聴者の声を無視していたら人気になることすらできなかったでしょう。

視聴者の声に応えられなければ消え、応えれば破滅的な結末を迎えます。

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人気を繋ぎ止めるためならかつてファンだったクリエイターにも悪名を押し付け、新たな人気を得るためならば危険も冒します。

これらの事件の根本にあるのはSNSでのクリエイターと視聴者の関係の構造的な問題でしょう。この関係(パラソーシャル関係)についてはこちらの記事に書きました。

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すぐにクリエイターをキャンセルしたがる視聴者に冷静になれと諭そうとするクリエイターもいますが、元をたどればクリエイターが人気になった原因は視聴者の熱狂だったはずです。ポジティブな熱狂だけをよこせ、ネガティブな熱狂はいらない、というのは身勝手です。

クリエイターと視聴者の関係に正解が見つかるまでの道のりは長く険しいようです。

  1. アイス・ポセイドンの栄光と衰退についての動画。アイス・ポセイドンのファンが度が過ぎるイタズラをして問題になっていた。アイス・ポセイドンはストリーム・スナイピングに遭ったり、スワット被害に遭ったりしていたようだ。

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