どこにでもある窓ガラス。どうやって作られるのかご存じですか?
ガラスの製造現場を見たことがありますか? ガラス吹きの現場を見たことのある人は多いのではないでしょうか。
こちらの動画ではガラスを吹いておしゃれな文鎮を作っています。色の違うガラスを組み合わています。
ガラスは高温で溶けます。溶けたガラスは飴や蜜のようなものです。息を吹き込むとシャボン玉のように球ができます。こうして文鎮や器を作れます。
それでは、平らなガラスはどうやって作るのでしょう?
膨らませた球を平らに伸ばすのでしょうか? それともローラーで平らにするのでしょうか?
膨らませたものを伸ばすのは手間ですし、ローラーで均一な板ガラスを作るのは難しそうです。
平らなガラスの製造工程を説明しているSOLOS Glassの動画です。SOLOS Glassはオーストラリアの会社で、このチャンネルにはプロモーション動画がアップロードされています。CGで工場の様子がわかりやすく示されています。
なんと、高温で溶けた錫(スズ)の上にガラスを流して平らなガラスを作るのです。ガラスは流れながら徐々に冷やされ、板ガラスになります。2900ºF(約1600ºC)で原料を混ぜてガラスを作り、2000ºF(約1100ºC)錫の上に流します。
そのままガラスは製造ラインを流れながら冷却され、品質検査も自動で行われます。ライン上で顧客の要望に応じてカットまでされ、出荷されます。
静かな水面は平らで均一です。それと同じように、溶けたガラスも平らになります。だから板ガラスはなめらかで均一だったのですね。このようにして作られたガラスをフロートガラス(float glass)といいます。
球を平らに伸ばしたりローラーで平らにしたりするのでは均一な安定した製品を作るのが難しいので、現在のガラスの大量生産では使われません1。
大量生産ではない場合や、均一でないことに意味がある場合には、球を平らに伸ばす作り方もできます。今でも職人手作りの窓ガラスではこのやり方が使われます。
Science Channelの動画です(注意:音が片側からしか出ません)。窓ガラスやステンドグラスを手がけるドイツの工房を紹介しています。
最初の方は普通のガラス吹きと同じです。ガラスを下に向けて重力でさらに大きく膨らませ、振り回してさらに引き延ばします。これで長い試験管のような形になります。
試験管の先端を熱して穴を開け、全体を熱して穴を広げます。根元を切り離すと、円筒ができます。円筒を切って再び熱し、板状に開きます。最後に縁を切ってできあがりです。
手作りのガラスには大量生産品にはない味がありますね。