Selena Gomezの号泣動画を笑う人々 思いやりが欠けるのはSNSか社会か?

セレブ・エンタメ

メキシコにルーツがある歌手、俳優、起業家のセレーナ・ゴメスがアメリカ合衆国移民・関税執行局(通称ICE)によって強制送還される移民の人々を思い泣く動画をInstagramストーリーに投稿していました。

セレーナは動画をすぐに削除しますが、セレーナをいじる投稿が相次いでいます。政治家やホワイトハウスまでセレーナを攻撃する投稿をしています。

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動画

こちらが削除されたセレーナの動画です。セレーナは泣きながら「胸が痛いです。同胞が迫害されています。子どもたちまで、どうして。どうすればいいの。できることは何でもするから、待ってて」と話しています。

第二次トランプ政権は不法移民に強硬な姿勢をとっています。政権発足後から移民を拘束して強制送還もしくは収監したとするニュースが報じられていますが、中には罪のない移民やその子どもたちも含まれているようです。セレーナはこのような現状に胸を痛め、動画を投稿したのですが、ツイッターには心ないコメントが多く投稿されています。

コメントでは「凶悪な犯罪者が送還されて泣くとは底知れぬ愚か者だ」「『どうすればいいの』ってアンタ24億円の総資産あるでしょ。助けたいなら助けられるはず」「俳優ダト理解、あなた演技してる止めろ」などの意見が投稿されています。

Twitterのコメント

Twitterのコメント

ホワイトハウスはすぐにセレーナを攻撃する動画を投稿しています。不法移民の犯罪の被害に遭った遺族がセレーナを攻撃している内容です。

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セレーナをいじる投稿

ラッパーのリル・パンプはAI生成した画像を投稿して「何で泣いてんのさ」と投稿しています。

セレーナの泣く動画はミームになっています。こちらの動画では「路上生活者に泣いて私もお金がないの、と説明する私」と投稿されています。

右翼政治コメンテーターのキャンディス・オーウェンズは泣きながらカメラを自分に向け、セレーナの動画をいじっています。

セレーナは泣いている動画をストーリーから削除した後「他人に同情するのはいけないことみたい」と投稿していましたが、その投稿まで削除しています。ユタ州の上院議員サム・パーカーは「セレーナ・ゴメスを国外追放しろ」とまで投稿しています。

これらの現象についてYouTuberのマディソン・ブラウンが動画にまとめています。

gen z has a serious empathy problem

マディソンは「毎日たくさんの情報を目にするうちに感覚が麻痺して、動画の中にいる他人がどういう状況でも動じなくなったのかもしれない。そのせいで共感する能力や他人を思いやる能力が失われてしまったのかも。特にアメリカのように個人主義が強い社会だとそうなりやすい。加えてSNSでは優秀なアルゴリズムのおかげで自分好みの動画だけを消費していると、反動で少しでも異質なもの、理解しがたいものへの拒絶反応が激しくなる。」と話しています。

セレーナは問題を提議するために動画を投稿したのかもしれませんが、批判や脅迫を受ける結果になってしまいました。情報過多で麻痺する人もいるかもしれませんが、たくさんの情報を目にすることで寛容になることも可能かもしれません。寛容になれるインターネット空間であってほしいと思います。

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