LAの十代女子パンクパンドの新曲は『差別主義者の男子』 “The Linda Lindas”が立ち向かう現実とは?

社会・政治

LAの新しいパンクロックバンドが話題になっています。バンド名は“The Linda Lindas”です。メンバーはミラ(Mila、10歳)、エロイス(Eloise、13歳)、ルシア(Lucia、14歳)、ベラ(Bela、16歳)の4人。AAPI月間(アジア・太平洋諸島にルーツを持つ人々を記念する月)にともない、“TEENtastic Tuesdays”(「重大・十代な火曜日」)の一環として彼女たちはロサンゼルス公共図書館でライブを行いました。

以下の内容はTYTの動画に基づいています。

Teen Punk Rockers "Racist Sexist Boy" Goes Viral
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“Racist Sexist Boy”

披露した曲“Racist Sexist Boy”(『人種差別主義者で性差別主義者の男子』)の歌詞は「アンタは性差別主義者で人種差別主義者のクソだ、嫌いなものには偏見丸出し、指摘されると知らんぷり」という内容です。

ドラマーのミラがこの歌の元になったエピソードを紹介しています。

少し前に、ロックダウンに入るとき、クラスメートの男の子が私のところにやってきて、「僕のお父さんが中国人には近寄るなって言ってたよ」と言ったんです。「私は中国系だよ」と伝えると、彼は後ずさりしました。エロイスと私はその経験を元にこの曲を書き上げました。

TYTのコメンテーターの一人は「若い世代でこれぐらい人種差別や性差別に対抗する度胸があるのは頼もしい」と話しています。

The Linda Lindasの拠点はLAで、全米でも進歩的な地域のはずですが、アジア系を含むマイノリティはいまだに差別されています。

TYT司会者のジェンク・ユーガー(Cenk Uygur、連邦下院議員に立候補経験あり)は様々なマイノリティに対する差別を紹介しています。彼はトルコ系アメリカ人ですが、妻は中国系アメリカ人です。息子さんは学校で、「中国人はコウモリやネズミを食べるからコロナウイルスが発生したんだ」と言われたそうです。

ジェンクはさらに、知り合いのインド系アメリカ人が子どもの頃にニュージャージー州で経験した人種差別的なエピソードも紹介しています。休み時間にクラスメートに囲まれ、ネイティブアメリカンのウォーチャント(戦いの場で士気を高めるための歌)を歌われたそうです。

TYTの最高ビジネス責任者(CBO)のスティーブがバージニア州の学校生活で経験したことについても紹介しています。彼はクラスメートの白人の女の子に片思いをしていたのですが、「彼女が(マイノリティーの)おまえなんかと付き合うわけがないだろ」と言われてクラス中でどっと笑いが起こったそうです。

少しずつ差別が容認されなくなってきてはいますが、まだまだ根深い偏見や差別を日常的にマイノリティーは経験しています。

The Linda Lindasは彼女たちが直面している根深い差別に抗議の声を上げる曲を作ったのでした。

The Linda Lindasの活躍

The Linda LindasはNetflixの映画『モキシー 〜私たちのムーブメント〜』(“Moxie”)でもカメオ出演するなど大活躍です。

The Linda Lindas Perform REBEL GIRL (Official Video) | Moxie

深刻な問題を建設的に歌にしてエンターテイメントとしても成立させている彼女たちには人気が出そうです。ウィキペディアのページもすでにあります1

バンド名は2005年の映画『リンダ リンダ リンダ』(英語名“Linda Linda Linda”)に由来するそうです。この映画のタイトルはTHE BLUE HEARTSの『リンダリンダ』に由来します。この曲が出て34年ですが、メンバーの全員がその半分以下の年齢で、映画が公開されたときにもほぼ全員が産まれていなかったことになります。

音楽の力は世代を超えます。彼女たちの音楽も後の世代に影響を与えるのでしょうか?

Image: The Linda Lindas

  1. ウィキペディアのページによれば、メンバーのうち三人の親は有名人である。

    インディーズ歌手の親にWikipediaページがある率が高いことを指摘している。

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