It End With Us裁判で情報戦が激化 Blake Lively批判はアストロターフィングなのか?

セレブ・エンタメ

俳優のブレイク・ライヴリー(Blake Lively)がニューヨークタイムズ紙にジャスティン・バルドーニ(Justin Baldoni)からセクハラをされたという記事が出たのを機に巨額裁判に発展しています。ライヴリーはバルドーニと共演した映画『It End With Us』の撮影時期にセクハラを受けたと主張しています。

2024年夏、映画の宣伝中にライヴリーは自身のアルコールブランドとヘアケア商品を宣伝していたので批判を浴びていました。映画の内容はドメスティック・バイオレンスに関わるもので、ライヴリーの軽薄な宣伝態度は問題があると指摘されていました。

ライヴリーはこれらの批判はバルドーニ側による「ネット上の策略」と主張してバルドーニとその事務所、PR担当者らを訴えています。対抗してバルドーニ側はニューヨークタイムズ紙を訴え、さらにライヴリーとその夫ライアン・レイノルズ、PR会社を訴えています。

当初のニューヨークタイムズ紙の記事(ライヴリー側から事前に情報が提供されていたと疑われている)、ライヴリーの訴状の内容、さらにバルドーニのNYT紙への訴状の内容についてはこちらで紹介しています。

情報戦は泥沼化していますが、公判が始まるのは2026年3月9日と1年以上先です。訴状を読んだ人々は既に事実がどちらの味方をしているか決めているようです。

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ネットの反応

ライヴリーの主張に事実が乏しいのでは、と訴状を読んだ人々は判断しています。

バルドーニ側の訴状はこちらで読めます。バルドーニ側の主張によれば、ライヴリーは撮影現場で横車を押すことがしばしばだったようです。バルドーニはライヴリーとのメッセージをすべて公開することで自らの潔白を主張しています。

公開されたライヴリーのメッセージには自らをゲーム・オブ・スローンズのキャラクター、カリーシにたとえて「私にもドラゴンが味方している。」と表現している内容がありました。これは、ライヴリーの主張を通さなければ1、一流セレブの夫ライアン・レイノルズと友人のテイラー・スウィフトを敵に回すとこわいぞ、味方になれば心強いぞと言っているものです。

この内容を反映して、あるTikTokユーザーはカリーシの顔をライヴリーにした動画を投稿しています。画像では2匹のドラゴンの頭部が夫レイノルズと友人のテイラー・スウィフトに差し替えられています。

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しつこい情報戦

訴状を読んだTikTokクリエイターのビー・ベターは、ライヴリー側の主張には穴があり、事実の裏付けが乏しいと指摘しています。

ビー・ベターはライヴリーとその夫を批判する動画ばかり投稿しているので通報され、TikTokアカウントが削除される危機に瀕していました。結局、アカウントは戻りました。

ライヴリーの主張が無理筋なのでアンチになった人が多いのか、ライヴリーの問題発言が掘り起こされています。ブラック・フェイスをしたと話すライヴリーの過去の動画まで登場しています。

ライヴリーが訴状でセクハラされたと主張している問題のシーンについて10分の動画が公開されています。

It Ends With Us Legal Battle: Justin Baldoni Releases Raw Footage of Blake Lively On Set

この動画について、ライヴリーを擁護する人は「明らかにライヴリーは居心地悪そうにしている。これはセクハラを受けた人の態度だ。」と指摘し、バルドーニを擁護する人は「ライヴリーこそバルドーニに鼻の整形をしたらと勧めている。失礼極まりないし、演じているキャラから逸脱して外見いじりをしているのはライヴリーの方じゃないか」と指摘しています。

ジャスティン側が公開した裁判に関する情報サイトが2025年2月1日に立ち上がりました(リンク)。時系列順に、バルドーニ側にとって必要な情報がすべて掲載されています。

ライヴリー夫妻がジャスティン側に出せと要求したとされる「謝罪文」です。

夫妻がバルドーニに公開するように要求した内容は「すべてはバルドーニ側に責任があり、ここに謝罪する。」といったものでした。

ライヴリー批判はレッドピル化?

訴状を読んだ人は、ライヴリーを批判し、バルドーニ側に事実があると思っているようです。そのような人々を喜ばせるために右翼陰謀論者で人種差別主義者の政治論者キャンディス・オーウェンスが頻繁にライヴリー批判をするストリームをしています。

キャンディス・オーウェンスYouTube

キャンディス・オーウェンスYouTube

ライヴリーのウソを暴きたいとの視聴者心理を利用して再生回数が高くなっています。

キャンディス・オーウェンスの政治的主張に問題があると知っていても、それとは無関係の芸能ニュースを見るのは問題ないと思っている視聴者が多いのかもしれません。

しかし、そのようなコンテンツを見ている人は知らないうちにレッドピルへ導かれていると話すTikTok投稿者もいます。

こちらの投稿では「ブレイク・ライヴリーは長いキャリアの中でこれまで一度も問題を起こしたことがないプロである。」と主張してライヴリーを擁護しています。

ライヴリーはこれまでハーベイ・ワインスタインの擁護をして問題視されたり、プランテーションで結婚式を挙げたり、いろいろあったと思いますが。今回の事件とは直接関係のない発言でライヴリーを攻撃するなというなら、今回の事件とは直接関係ない経歴で擁護するのは変です。

なかにはライヴリー批判をしている人は「女性蔑視主義者」とまで断言する人もいます。バルドーニを擁護しているのはアストロターフィングに影響された人、と主張する人もいます。

芸能ニュースにこれほど心血を注いで、それぞれの立場の応援団を自認する人が発生するのはアンバー・ハード対ジョニー・デップ裁判以来の現象です。なぜ、これほど人々の怒りを集め、意地を張り、絶対に勝たなくては気が済まない心理になるのか理解できません。どっちが正しかろうと、とにかく敵対している集団に勝たせてはならないという党派意識は有害無益です。

  1. 頼まれてもいないのにライヴリーが脚本を書き直し、その内容を採用するのを渋ったバルドーニに対し、脅すような文脈で送っている。他人の名前を持ち出すのは、ライヴリーの自信のなさの表れだとされている。
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