アメリカスラングthrowing shadeの意味と由来は?

英語まめ知識

Throwing shadeというアメリカ・スラングがあります。Throwing shadeはspilling teaとよく一緒に出てきます。

Throwing shadeはどんな意味でしょう?

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由来

どうやらshadeはLGBTQ+の文化に由来する言葉であるようです。

1990年のドラァグクィーン・ドキュメンタリー映画『パリ、夜は眠らない。』の中でドラァグクイーンのDorian Coreyはこう説明します。

Shadeは直接ブスって言わなくもあなたは自分がブスって分かってるわよね、ってことよ。

Shade is, I don’t have to tell you you’re ugly, because you know you’re ugly.

リアリティ番組ル・ポールのドラァグ・レース内でも頻繁に出て来る用語です。ニューヨークタイムズの記者はこう解説します。「Shadeにもいろいろあります。攻撃的だったり探りを入れたりするような一瞥とか、言葉で褒めているようで実は貶していたりとか。」

ノースウェスタン大学で社会学を研究し黒人ゲイコミュニティでの侮辱の文化についての著書もあるE. Patrick Johnsonは言います。「ひどいドレスを着て部屋に入ってきた人がいて、でもひどいとあからさまに言いたくない時は、『あらまあ、見てよOooh … look at you!』と言うものなのです。」

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(2020年5月24日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)

つまり、一見褒めているようで、相手を暗に侮辱しているわけです。Look at you.は文脈や言い方で良いようにも悪いようにも聞こえるからです。(この場合は素敵なドレスね!と何て酷いドレスなの!どちらの可能性もありうる。)場合によってはshadeは「当てつけ」とも訳せます。

暗に意思表示する形式は日本の本音と建前に近い文化も感じますね。

以下はTwitterで見かけたthrowing shadeを用いたツイートです。

個人的に好きなthrowing shadeは、

カイリー・ジェンナーをself-madeと表現したForbesに対してのDictionary.comのツイートです。(カイリー・ジェンナーは自己の力のみで成功したとは言いがたいですね。)

参考:Throw shade (slang)

【2020年9月21日】本文を加筆訂正しました。

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